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蔵王全山(8月〜9月)
エゾオヤマリンドウ
(蝦夷御山竜胆)
(リンドウ科リンドウ属)

 刈田峠から芝草平方面へ向かう、 前山頂上過ぎたあたりで、 鮮やかな青碧色のリンドウが目につく、 刈田峠から登山道にちらほら咲いていたが、 目の前にある、 エゾオヤマリンドウは葉を密につけ、 花茎の先にだけ花をつけたこの花はりんとして気品と風格がある。 エゾオヤマリンドウはエゾリンドウの高山型で、北海道と東北に分布し、 高山の湿った草地に生えます。 分布域は北海道のみとするものもありますが、実際は蔵王山のほか、 月山や栗駒山でも見られます。 きびしい自然環境のせいか、 高さは母種の半分ほどにしかならず、 花は先端につくだけで、 葉のつけねにはつかないのが特徴です。 高さ 20〜40cm、根生葉と下部の茎葉は鱗片状、 中部の茎葉は対生、 長さ 5〜10cm、幅 1〜3.5cm、広披針形で基部はやや茎を抱く、 花は濃紫青色で、茎の先だけにつく、 花冠は長さ 3〜4.5cm、 で浅く 5裂する。 しかしほとんど開かない。

前山付近で撮影、(2006/9/2)
蔵王・刈田峠〜不忘山(8月〜9月)
ミヤマシシウド
(深山猪独活)
(セリ科シシウド属)

 稜線上のミヤマシシウドは、 頑丈な茎を伸ばして、 大型の花を空中に広げている。 ハクサンフウロなども咲き、 もう秋が訪れていることを知らされる。 南蔵王の稜線上は今日のように天気が良いと、 楽しい散策になる。 多年草で、 葉は2〜3回3出複葉。 小葉は長さ 6〜15cm、幅 3〜8cmの卵形〜卵状長楕円形で先はやや尾状にとがり、 ふちには鋭い鋸歯がある。 葉柄の基部は輪状にふくらんで茎を抱く。  背丈よりも大きく育ったミヤマシシウドに会うと、ちょっと感動を覚える。 草原の中にニョッキリと頭を出しているものもあれば、見事な群生になっているところもある。 分岐した太い茎の先に、花火が拡がったような白い花の集団を付けた姿は王者の風格がある。 ミヤマシシウド以外にも、ミヤマセンキュウ、ハクサンボウフウ、エゾニュウ、オオカサモチなど、美しい白い花冠を茎の先に付ける山の植物は多く、 慣れないとなかなか見分けることが出来ない。

南屏風岳付近で撮影、(2005/8/16)

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