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南蔵王山麓(8月〜9月)
オニシオガマ
(鬼塩竈)
(ゴマノハグサ科シオガマギク属)

 朝起きてみると晴れているではないか、 直ぐに車を走らせ登山口に向かう。 白石スキー場から不忘山に向かって歩き始めてまもなく、 オニシオガマと出会う。 やや湿った所に生える多年草で全体に白い毛が多く、 花は桃色で、茎の下にまばらにつく、シオガマの仲間では一番大きくなる。 花茎は太く、枝分かれせず茎頂に 1個の花穂をつける。 エゾシオガマに比べると、花は大きくて細長く大変目立ちます。 茎は直立して高さは40-100cmほどになり、茎や葉には白色の軟毛がやや密にはえる。 葉は対生し、4-6枚の大型の根生葉は長卵形で羽状に全裂し、裂片は深く裂け、両面に白毛がつく。 茎につく葉は小形で羽裂せず、上部のものは苞になる。 淡紅紫色の唇形の花が下段から上段に咲いていく。

白石スキー場で撮影、(2006/8/6)
南蔵王山麓(8月〜9月)
ツリガネニンジン
(釣り鐘人参)
(キキョウ科ツリガネニンジン属)

 ツリガネニンジンは山野のススキ草原や溜池の堰堤などに生育する多年草でキキョウなどと共に、 秋の到来を感じさせる植物の1つである。 北海道から九州の各地に分布し、 千島列島などにも生育する。 根生葉は丸く、 長い柄があるがその後に伸びた茎に付く葉は楕円形の葉となり、 葉柄はほとんどなくなり、  3〜4枚の輪生となる。 開花時には根生葉はなくなるとされるが、 夏から秋にかけて刈り取られると根生葉を再生し、 花茎も再生する。 地下に大きな根があり、 これに養分を貯蔵している。 夏に刈り取られると速やかに地上部を回復する戦略をとっており、 刈り取り草原によく適応した方法である。 しかし、これほどの葉形の変化は、 驚きである。 年間を通じての観察が必要である。 和名は釣り鐘状の花が咲き、 大きな根を朝鮮人参に例えたものという、 顎は細くて糸状であり、 雌しべは釣り鐘型の花から少し突出する。 花が開いた直後は雌しべの先端はこん棒状であるが、その後先端は3つに分かれて広がる。

白石スキー場で撮影、(2006/8/19)

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