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南蔵王・不忘山(7月〜8月)
チシマゼキショウ
(千島石菖)
(ユリ科チシマゼキショウ属)

 不忘山の北斜面はごつごつした岩場が続く。 小さな花、つぼみの頃も、白い花の咲く頃も、実が下向きに垂れる頃も、それぞれの雰囲気をもつ目立たない存在だが、 岩場の一角を飾るのにふさわしい。 北海道と本州中部地方以北の高山帯の岩礫地に生える。 チシマゼキショウ属に属し、仲間にイワショウブとヒメイワショウブがある。 どちらも花色は白く、ヒメイワショウブは北海道にも分布する。 花茎は高さは 5〜10cmで、7〜15mmの花序に数個〜10数個の赤紫色を帯びた小花を横向きか斜め下向きに密につける。一つの花は長さ 2〜3mmで花被片は 6個。根生葉は剣状で先は鋭くとがる。 蔵王では不忘山の岩場に多い。

不忘山北面で撮影、(2009/7/12)
蔵王・刈田岳(7月〜8月)
シロバナトウウチソウ
(白花唐打草)
(バラ科ワレモコウ属)

 草原を吹く風に秋の気配が色濃く感じられる頃、 熊野岳山頂にはメイゲツソウ、 ヤマハハコなどが咲き始める。 短く白い花穂のシロバナトウウチソウも仲間入りして、 地味な存在ながら秋の訪れを告げている。 高山帯の礫地や草原に生える多年草で、 高さ 30〜40cm、 葉は奇数羽状複葉、 根生葉は数個で長さ 15〜35cm、 小葉は 3〜6対あり、 長さ 2〜4cm、幅 1〜3cmの楕円形で鋭い歯がある。 裏面は粉白色、 花序は長さ 2〜5cmで、 淡褐色の組毛が密生し、 上部より開花、 花は白色で径 5〜6mm。

写真は、仮称山前より借用  熊野岳(2010/7/19)

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