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蔵王・刈田峠〜杉ヶ峰(7月〜8月)
ミヤマオトギリソウ
(深山弟切草)
(オトギリ科オトギリ属)

 晴れの朝、 前山の登りにかかる、アオモリトドマツの林を抜け出ると、青空がまぶしい、 森の緑がすっかり濃くなった初夏の山を歩いていると、 ミヤマオトギリソウに出会う。 イワオトギリ と同じく オトギリソウ の高山種で、 イワオトギリよりやや背が高く、 花も大きい。 高山に生育する多年草。 岩陰などに群生して美しい花を咲かせていた。 オトギリソウの仲間の葉を透かしてみると、 黒い点があったり、 光がよく通過する明点があり、 重要な区別点の一つとなる。 ミヤマオトギリソウは葉の縁に黒点が並び、 葉の中央にはごく少数の不明瞭な黒点と明点がある。 花弁は部分的にうっすらと赤みを帯びている。

前山付近で撮影、(2005/7/31)
蔵王・熊野岳(7月〜8月)
ヤマサギソウ
(山鷺草)
(ラン科ツレサギソウ属)

 ヤマサギソウは、 日当たりのよい湿り気のある草地に生えるラン科の多年草。 花茎は高さ20〜30cm、 通常中央付近に長楕円形の葉を 1枚つける。 黄緑色花を約10個開く。 種類の多いラン科の中でもツレサギソウ属は識別が難しい。 どれも似たような淡黄緑色の花をつけるが、 ヤマサギソウは長くて湾曲した距が識別のポイントになる。 花を正面から見た形が、 流氷の海の生物クリオネに似ているということで、 「草原のクリオネ」と呼ぶ人もいる。

写真は、仮称山前より借用  熊野岳(2010/7/19)

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