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蔵王全山(6月〜7月)
ツマトリソウ
(端取草・褄取草)
(サクラソウ科ツマトリソウ属)

 春は深い残雪の底から、わきあがる吐息のように、 雨上がりの湿原にふいに顔を出す。 高山で割とよく見かける花であるが、 なんとこの花はサクラソウの仲間である。 背も低いし、 他の仲間とあまりにも違いすぎて、 ちょっと信じられない。 ふつう花の先は7つに深く裂ける、 この花名は「妻取り草」ではなくて、花弁の周囲がピンク色に縁取られることに由来するが、今までにはっきりと縁取られている花に出会ったことがない。 亜高山〜高山帯の林床に生える多年草、 高さ 5cm〜20cm 葉は上部に 5〜10個集まって輪生し、 長さ 2cm〜5cm 幅 1〜2.5mmの広披針形か倒卵形で先はとがる。 蔵王ではほぼ全山の適湿地に生育する。

前山付近で撮影、(2012/6/18)
南蔵王・不忘山(6月〜7月)
キバナノカワラマツバ
(黄花の河原松葉)
(アカネ科ヤエムグラ属)

 菜の花と見間違うばかりの黄の波が揺れる、よく見ると繊細な葉、 黄色の花キバナノカワラマツバだ、 こんな山の上にカワラマツバがと不思議に思えてくる、 だがよく見るとあたりの赤茶けた岩肌によく似合う色彩だ。 低山帯〜高山帯 の草地に生える多年草。 茎や葉には細かくて柔らかい毛が生えるが、 刺はない、 葉は、6〜12個輪生しているように見え、 長さ 2〜3p、幅 1〜3o線形で先端に短い刺がある、 本来の葉は 2個で、他は托葉が大きくなったもの、 茎の先や上部の葉腋に小さな黄色の花を円錐状に多数つける。 花冠は直径約 2oで 4裂して平開する。 果実は直径約 1oで無毛。 蔵王では不忘山頂付近に多い。

写真は、建具屋より借用

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