蔵王全山(6月〜7月) ハクサンチドリ(白山千鳥) (ラン科ハクサンチドリ属) やっと着いた刈田峠駐車場で準備をして、 不忘山へ向かう登山口の前で、 早々とハクサンチドリに出会う。 蔵王を代表する花は確かにコマクサだが、 数や生育地の広がりから見ると、 ハクサンチドリが横綱格だ。 何しろエコーラインをバスで通っても、 表登山口上部から刈田岳山頂まで、 とぎれず咲いているのだから、 屏風岳・不忘山でも見かけるから蔵王随一の花といえる。 山地〜高山の草地や湿地に生える多年草、 披針形の葉が数枚つき、 基部は茎を抱く、 花は穂状に密につく、 唇弁は3つに裂け、 中央の裂片や側弁の先が尖る、 また唇弁には赤紫色の斑点がある。 高さは10〜40cm。 茎の先端に総状花序の赤紫色の花を多数つける。 まれに白花の個体もある。 蔵王では全山で見られる。 刈田峠で撮影、(2018/6/18) | |
蔵王全山(6月〜7月) アカモノ(赤物) (ツツジ科シラタマノキ属) イワハゼという別名もあるが、 実が小粒の赤桃を連想して名付けられたのだろうか。 壺型の白い花の先をほんの少し紅色に染めて、 かわいくうつむいたように咲く姿は草むらの中でも人目を惹く。 アカモノは北海道から本州、四国の山地に生育する常緑の小低木。 高山などの岩場や道沿いの斜面など、日当たりの良い場所に群落を形成して生育する湿原の周辺などに散見される。 本来ならばブナ帯であり、 夏緑広葉樹林が発達しているべきであるが、 山頂などの急峻な地形の場所では、 このような小型であり、 陽生の矮性低木が生存可能なのである。 葉の長さは 1.5〜3cm、 茎の下部は地面を這い、 6月から 7月にかけ、 白い小さな花を咲かせる。 若枝には赤褐色の毛が多い、 和名は赤桃がなまったものという、 秋に食べられる赤い果実ができる。 蔵王ではほぼ全山で見られる。 山形神室岳で撮影、(2012/6/23) |