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蔵王全山(6月〜7月)
コケモモ
(苔桃)
(ツツジ科スノキ属)

 リタイヤして良いことの一つは晴れの日を狙って山登りができることだ、 高山植物と言えば、 すぐコケモモを思い浮かべるほどポピュラーな植物だ。 そしてすぐあの赤い実を思い出してしまう。 だがその花はあまり知られていない。 それもそのはずで小さな薄紅色の白い花は地味で目立たない。 樹高は 10〜40cm程度で、 直立した幹はぎっしりと密集している。 森林に生育するため、 日陰で湿度が高く、 また土壌が酸性の場所を好む。 多くのツツジ科の植物と同様、 栄養分の少ない土地でも耐えられるが、 アルカリ性の土壌では生育できない。 耐寒性にすぐれ、 -40℃以下でも耐えることができる一方、 夏が暑い場所では生育しにくい。 自然での生育地はユーラシアの北部や北アメリカの周北林(北半球の寒帯の森林)で、温帯から北極圏に近い地域まで分布する。 蔵王では全山に生育する。

刈田岳で撮影、(2012/7/4)
南蔵王・不忘山(6月〜7月)
タカネバラ
(高嶺ばら)
(バラ科バラ属)

 不忘山へ向かって北斜面コル付近ガレ場の続く岩陰に一株のタカネバラ。 高嶺の花ならぬタカネのバラ、 山深くひっそりとこんなきれいな花が咲いています。 直径4〜5cmくらいの花ですが、 最初に出会ったときは思わず感嘆の声を上げてしまいました。 「高貴」「華麗」何と表現したらよいのかすばらしい花です。 デリケートな花で雨に打たれるとすぐ傷んでしまいます。 「花の命は短くて・・・・・」。 まさに「美人薄命」。 その自生地も限られています。 美しい花だけに山野草愛好家と称する一部の心ない人たちの盗掘が後を絶たない花でもあります。 樹高は1-2mになり、枝はよく分枝する。 小枝は細長く紅紫色を帯び、白色を帯びた細い刺針が多生し、のちに脱落する。 側枝の刺は少なくなる。 托葉は幅広く、膜質で、なかほどまで葉柄に合着し、耳片の先端はとがり、縁に先端が小さな腺になった鋸歯がある。 蔵王では不忘山北斜面コル付近や硯石口中腹、南屏風岳に多い。

写真は、あべっちより借用

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