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南蔵王・不忘山(5月〜7月)
ギンリョウソウ
(銀竜草)
(イチヤクソク科ギンリョウソウ属)

 朝起きたら快晴ではないか、 すぐ車を走らせ硯石登山口に向かう、 不忘山に向かって歩き始めてまもなく、 薄暗い林の大きな樹の根本に、 夢幻的なギンリョウソウが、 白いうなじを並べている、 別名ユウレイタケ(幽霊茸)とも呼ばれているそうだが、 半透明の花を見ていると、 そんなふうにも思える。 ギンリョウソウは銀竜草で、 全体の姿を見て竜に見立てたもの。 山地や丘陵地の暗い林の下に生える腐生植物。 和名は銀白色の鱗片に包まれた姿から名づけられたが、 ほの白く光る蝋細工のようにも見える、 蔵王では不忘山硯石口の針葉樹林床で見られる。

硯石付近で撮影(2009/6/6)
蔵王全山(5月〜7月)
マイヅルソウ
(舞鶴草)
(ユリ科マイヅルソウ属)

 梅雨晴れの朝、 刈田峠に車を置いて、 屏風岳に向かって歩き始め湿原を過ぎたあたりからマイヅルソウが咲いている。 アオモリトドマツの林を抜け出ると、 青空がまぶしい、 森の緑がすっかり濃くなった初夏の山を歩くと、 しっとりした林床にマイヅルソウの群生をよく見かける。 ひとつひとつの花は小さいが、 群がって咲くので薄暗い登山道でもよく目立つ。 さきほどから、 足元が滑っておぼつかないが、 朝霧を浴びた葉がみずみずしく、 花もせいいっぱい背伸びしている。 名前の由来は2枚の葉を翼を広げたツルに見立てたものであると言う人と、 葉脈の様子が鶴が舞っているように見えることからの名前だと言う人もいる、 どちらにしろ、 葉の形が名前の由来であることは間違いなく、 花よりも光沢のある葉の美しさが目立つ植物である。 蔵王ではほぼ全山の適湿地に多い。

前山で撮影、(2012/7/4)

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