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蔵王・熊野岳〜南屏風岳(5月〜7月)
ミネズオウ
(峰蘇芳)
(ツツジ科ミネズオウ属)

 Bグループの一員(4名)として、 大黒天から熊野岳に向かって登り始める、 なかなか花が咲いていないと思いながら歩いていると。 刈田岳頂上が近付いた頃、 ミネズオウが咲いているのに出会う。 真上から見ると花の形は星のように見えるが、 花の径は 5 mm程度しかない。 こういう極端に小さい花を写真に撮るのはどうも難しい。 あまりにもアップで狙うと花の可愛らしさが表現できないし、 かといってロングでは花の形がよく分からない。 捉える角度もいろいろ検討しているが、 これといった決まり手はない。 また、 良い被写体があっても、 登山道から離れていたりして、 いつも近くから撮れるとは限らない。 茎は細く、地面を這うように広がり、枝が斜上し、 高さは10-15cmになる。 葉は対生し、 革質で狭長楕円形、 長さ6-10mm、 幅2-3mmになる。 葉の縁は裏面にまくれる。  枝先に散形状に2-5個の花をつける。 花冠は白色〜紅色で5裂している。 直径5mmほどの小さく金平糖のような花を咲かせる。 果実は刮ハとなる。 蔵王では、 熊野岳付近から南屏風岳に見られる。

刈田岳付近で撮影、(2004/5/23)
蔵王全山(5月〜7月)
ショウジョウバカマ
(猩々袴)
(ユリ科ショウジョウバカマ属)

 弘法清水の少し手前まだ雪解けてまもない、 山稜はやっと目覚めたばかりだ、 枯草をおしわけるようにショウジョウバカマの花を咲かせている。 和名は花を猩々(しょうじょう;猿の一種)の赤い顔,葉の重なりを袴にみたてたものということです。 ただしショウジョウバカマは生育場所により個体により、 赤い花から紫、 白までいろいろで、 酒を飲みすぎて赤くなったり青くなったり、 蒼白になったりという人間の所業をつい連想してしまうが、 これはショウジョウバカマにとっては迷惑千万だろう。 花もユニークだが、 葉もまたユニークで、 葉の先端が地面に触れているとそこから"不定芽"と呼ばれる芽を出し、 子苗を生じる。 ショウジョウバカマは花が実を結び、 種子から子孫を残すだけでなく、 葉からも増えるめずらしい戦略をもった植物なのだ。 日本各地の山地で少し多湿なところにはえる常緑の多年草。 蔵王山では全山山麓から稜線まで見られる。

弘法清水付近で撮影、(2018/5/21)

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