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蔵王山麓(5月〜6月)
クルマバソウ
(車葉草)
(アカネ科クルマバソウ属)

 山菜採りの車のほこりを浴びて、 道端から山裾にかけミズナラ林の林縁に遠慮がちに咲くクルマバソウ清楚な白い花は如何にも慎ましく美しい。 アカネ科の多年草。 葉が馬車の輻(や)(車輪の中心部から放射状に出ている細長い棒)のように並んでいるためこの名がある。 地上茎は直立し、 高さ15〜35センチメートル。 葉は6〜10枚が輪生するが、 真の葉は2枚で、 他は托葉(たくよう)である。 花は白色、 小さく、 枝の先に多数つき、5〜7月に開く。 果実は鉤(かぎ)状の柔らかい毛が密に生える。 北海道から九州の山地の林内に生え、 シベリアからヨーロッパ、 北アフリカに広く分布する。 乾くと芳香があり、 この成分をクマリンという。 ヨーロッパでは、 保存したリンネル類に香りをつけたり、 ぶどう酒、 リキュール、 嗅(か)ぎたばこなどの香料とする。 また鎮静剤など薬用としても用いる。 クルマバソウ属はヨーロッパ、アジア、オーストラリアから約200種が知られ、地中海地方に多い。 ヤエムグラ属に統合する意見もある。 蔵王では全山山麓の林内に多い。

硯石付近で撮影、(2008/5/27)
南蔵王・不忘山中腹(5月〜6月)
ササバギンラン
(笹葉銀蘭)
(ラン科キンラン属)

 意外なところで出会ったササバギンラン、 登山道のすぐ横の、 今にも踏まれそうなところに咲いていた。 咲くと言うよりもつぼみと言う状態で、 白々と立つ笹の葉のように見える葉を広げ、 伸びやかな姿は清楚ですがすがしい。 根茎は短いが、 根は細く長い。 茎は直立し、 高さは30-50cmになる。 葉は6-8個が茎に互生し、 形は卵状披針形で、 長さ7-15cm、 幅1.5-3cmで先端は尖り、 基部は茎を抱く。 葉の裏面、 縁および花序に白色の短毛状突起がある。 白色の花を穂状花序に数個つける。 花の下にある葉状の苞が目立ち、 下部の1-2個の苞は花序より長い。 萼片は長さ11-12mm、 側花弁は萼片より短く、 唇弁の基部は距となって突出する。 ギンランに似るが、 ギンランは葉より花序が高くなるが、 ササバギンランは花序より葉が高い位置にくるか同じ高さとなる。 また、 ギンランより全体に大型になる。 蔵王では不忘山南面中腹に多い。

アザレア平で撮影

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