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蔵王山麓(5月~6月)
ユキザサ
(雪笹)
(ユリ科ユキザサ属)

 ユキザサは北海道から九州などに分布する多年草。 ブナ林などの落葉広葉樹林中や道沿いに生育する。 地下茎は比較的よくのびるので、 群生というよりは、 点々と生育する感じになる。 茎は長さ 20~50cmほどで、 上部は傾いてほぼ水平になる。 葉は名前のように笹をイメージさせ、 両面に荒い毛がある、 5月に茎の先端に円錐形の花序を出す。 雪を連想させるほどではないが、 6枚の花披片と 6本の雄しべからなる小さな白色の花を多数付ける、 果実は秋に赤く熟す、 葉の裏には粗毛がある。茎の上部は斜上して、多数の花をつける、 花は白い花弁が 6枚、 内側に雄しべが 6本、 中央に先端が 3つに分岐した雌しべが 1本ある。

硯石付近で撮影、(2004/5/4)
蔵王・刈田岳(5月~6月)
アケボノスミレ
(曙菫)
(スミレ科スミレ属)

 雪解けを待ちかねて刈田岳へ登ってみる。 もうイワカガミが咲いているだろうか。 ミネズオウやコメバツガザクラも咲いているのでは、 山頂付近を探し歩く、 ふとダケカンバの根元に咲くアケボノスミレを見つけた。 草丈5~10cmの多年草。 葉は長さ3~4cmの先が尖った心形であるが、 花時は巻いていてほとんど展開しない。 葉の両面に微毛がある。 花は直径2~2.5cmと大きく、 紅紫色で濃淡あり、 花弁は厚い。 側弁は有毛、 無毛両方ある。 鮮やかな紅紫色の円くてふっくらした花弁は、 何ともいえない優しさと美しさがある。 花時には葉は完全に展開しないので、 花の美しさが一層目立つ。 花の色を曙の空の色に例えて和名がつけられている。 関東地方では珍しいスミレではなく、 明るい草原などでよく見られる。 蔵王では刈田岳に多い。

刈田岳で撮影

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