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蔵王山麓(4月〜5月)
フデリンドウ
(筆竜胆)
(リンドウ科リンドウ属)

 リンドウといえば秋の花の代表だが春に咲くリンドウもある。 春の低山で見られるリンドウには、 フデリンドウ、 ハルリンドウ、 コケリンドウなどがありどれもみな秋のリンドウに比べるととても小さい。 フデリンドウは花茎 10cmほどその頂上に 20〜25mmの青紫の花を1輪〜数輪つける。 低山の尾根がようやく淡い緑に色づきはじめるころ、 まだ枯草色の明るい林の縁や草地に日を浴びて青紫の花が咲いているのを見るのは楽しい。 小さな花だから、 うかうかすると見過ごしてしまうが、 ちょっと気をつけて足元を見ていれば、 草丈に比べて大きめの花は枯草の中に青い星をばらまいたようで、 意外に目につく。 遠慮がちに花を開く秋のリンドウに比べ、春のリンドウは花は大きく開くような気がするが、 夕方や曇りの日にはやはり花を閉じる。 蔵王山麓に柔らかい春の日ざしがふりそそぐ午後、 花を開いてフデリンドウが姿をあらわす。 蔵王では全山山麓に生育。

硯石付近で撮影、(2008/5/27)
南蔵王・不忘山(4月〜5月)
キブシ
(木五倍子)
(キブシ科キブシ属)

 樹高は3mときに7mに達するものもある。 花は、 葉が伸びる前に淡黄色の総状花序につける。 長さ3-10cmになる花茎は前年枝の葉腋から出て垂れ下がり、 それに一面に花がつくので、 まだ花の少ない時期だけによく目立つ。 花には長さ0.5mmの短い花柄があり、 花は長さ7-9mmの鐘形になる。 萼片は4個で内側の2個は大きく花弁状、 花弁は4個で花時にも開出せず直立する。 雄花は淡黄色、 雌花はやや緑色を帯びる。 雌花、雄花とも雄蕊は8個、 雌蕊は1個あるが、 雌花の雄蕊は小さく退化している。 葉には長さ1-3cmの葉柄があり互生する。 葉は長さ6-12cm、幅3-5cm、葉身は楕円形または卵形で、 先端は鋭形または鋭尖形 、基部は円形、 切形または浅心形になり、 縁には鋸歯がある。 果実は径7-12mmになる広楕円形、 卵形または球形で、 緑色から熟すと黄褐色になる。 和名は、果実を染料の原料である五倍子(ふし)の代用として使ったことによる。

硯石付近で撮影、(2004/5/4)

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